新型コロナウィルスの影響で、厳しい経営を強いられている事業者の中では、破産を選択せざるを得ないケースも多くあると思われる。
破産を選択した場合、具体的にどうなるかわからないことが多いと思われるので、よく質問がある事項について解説していきたい。

(1) 会社はどうなるか
 会社については、全ての財産について、裁判所選任の破産管財人の管理下に置かれる。
 破産管財人は、会社の全ての財産について、換金する。
 換金して得られた金銭は、まず、法的に優先権がある破産管財人の報酬、税金、労働債権等を支払った後、余剰があれば、一般の債権者に平等に分配される。
 これらが終わると、会社は消滅する。

(2) 保証人である経営者はどうなるか
 上場企業以外では、経営者が会社の借入金等の連帯保証人になっている場合がほとんどである。
 そこで、会社の破産を申し立てる場合、経営者の破産も申し立てる必要がある。
 経営者の破産手続でも、基本的には会社の破産と同様の手続きとなるが、一部の所有資産については、自由財産として、破産管財人の換価の対象とならない。
 東京地裁において、換価と対象とされていない資産には、主には次のものがある。
 (a) 99万円以下の現金
 (b) 家財道具等
 (c) 年金等の差押禁止財産(年金も受け取ってしまえば現金と同じ扱いになることに注意)
 (d) 自宅の敷金
したがって、破産したからといって、借りている自宅からは出ていく必要ないが、自宅を所有していると換価の対象となるため、新たに借りる家などを見つけなくてはならない。
 都内のマンション等、すぐに売却可能な不動産の場合は難しいが、地方の一戸建て等、売却が難しい物件の場合は、親族等が買い取ることで自宅を確保できるケースもあるので、現住の自宅を確保したい場合には、事前に弁護士と相談することをお勧めする。
 
 よく質問があるが、家族名義の資産については、破産とは全く関係ないので、自由に使うことができる。
 ただし、破産直前に家族に財産を移してしまっても、それは本人に戻さなければならないので、注意が必要である。

 また、破産すると、どのようなデメリットがあるかということもよく質問がある。
 警備員や保険外務員など、法律によって就職が制限される職種もあるが、それほど多くなく、破産手続きが終われば、それらの職業にも就くことができるため、就業制限はほとんどないと言ってもいい。
 クレジットカードについては、7年は信用情報機関のリストに記載されてしまうので、作れないことが多い。キャッシュレス社会ではクレジットカードがないことが不便ではあるが家族名義のクレジットカードを作ることができ、その家族カードを持つことで不便は解消可能であると思われる。また、プリペイド型のカードも多くなってきているため、家族カードが難しい場合は検討してみるとよい。

 その他にも、不安な点等あると思われるので、破産を考えており、質問事項がある方は、質問フォームhttp://www.cpalawyer.jp/contact/から質問いただければ、無料で回答しております。