民事再生手続では、過大債務を縮減することで自力再建できるケースもあるが、スポンサーを選定する場合も多い。

 民事再生の申立後に、スポンサーを選定するケースもあるが、事業の内容によっては、申立により事業の劣化が著しく進んだり、自力では資金繰りが困難になるケースも多い。
 そのような場合、申立前にスポンサーを選定し、資金供給をして貰ったり(DIPファイナンス)、公表することで取引先の不安を払しょくし、取引継続をして貰ったり、スポンサー経由で商品を仕入れたりすることで、問題を解決できることも多い。

 スポンサー選定に際しては、M&A仲介会社等をフィナンシャル・アドバイザー(FA)に選定して、入札手続きを行うこともあるが、代表者の人脈等を使い、同業者や取引先に支援を求めることもある。
 いずれにせよ、申立後、裁判所、監督委員、債権者にスポンサー選定の公正性を説明する必要があるため、選定過程については、価格面を含め説明できるよう準備しておくことが必要である。
 中小企業では、入札等によることが困難な場合も多いため、代表者の人脈等に頼り1社のみと交渉する場合等には、公認会計士等に事業価値の算定をして貰い、それをもとに価格交渉を行うことなどが有用である。

 このようにスポンサーを選定した上で、民事再生を申し立てた後は、スポンサーの意向により、主に(1)計画外事業譲渡・会社分割、(2)再生計画による事業譲渡・会社分割、(3)再生計画による100%減増資を行うことになる。

(1)計画外事業譲渡・会社分割
 事業再生の必要性がある場合、裁判所が債権者に意見聴取した上で、裁判所の許可を得て、再生計画によらず、事業譲渡ができる。
 会社分割については、民事再生法に規定はないため、株主総会の特別決議を経て、行うことができる。なお、東京地裁では裁判所の許可が必要とされている。
 これらにより、全部の事業がスポンサーに譲渡されると、再生計画は、譲渡代金から一括して弁済するものになる。会社は、再生計画の履行後、清算し、消滅することになる。
 複数事業を営んでいる場合、事業ごとに別個のスポンサーに譲渡・分割することも可能であるし、一部の事業のみを譲渡・分割し、残りの事業を辞め、清算することも可能である。

(2)再生計画による事業譲渡
 再生計画に事業譲渡・会社分割を規定することにより、スポンサーに事業を譲渡・分割できる。 

(3)100%減増資
 100%減資は、民事再生法により、債務超過である場合、裁判所の許可を得て、再生計画に定めることで、株主総会決議を経ずに行うことができる。
 増資は、民事再生法により、譲渡制限会社に限り、債務超過であり、事業継続に不可欠な場合、裁判所の許可を得て、再生計画に定めることで、株主総会決議を経ずに行うことができる。
 これらににより、100%減増資が行われ、スポンサーの100%子会社となる。